鎌倉市の登録推薦準備のための取り組み

鎌倉市では世界遺産登録に向けた準備として主に下記のような課題に取り組んでいます。
これら市としての準備業務については、平成19年度末頃までを目途に進めていく予定です。これまでの取り組みの概要は以下のとおりです。

  • これまでの主な経過
  • 対象候補遺産のまとめ
  • 対象候補遺産に関する国史跡指定(追加指定)と、史跡の保存管理計画の策定
  • 緩衝地帯(バッファゾーン)の確保
  • 世界遺産登録への推薦書原案の作成準備
  • 鎌倉世界遺産登録推進協議会
  • 鎌倉市の取り組み(スケジュール)

  • これまでの主な経過

    鎌倉の歴史的遺産は、平成4年に「古都鎌倉の寺院・神社ほか」として、今後日本国で世界文化遺産の登録を進める候補物件を示す「暫定リスト」に掲載され、ユネスコ世界遺産センターに提出されました。

    市では、平成8年度に「市総合計画」の中で世界遺産への登録を目指していくことを位置付け、準備のための取り組みを始めました。当初の主な取り組みは、 鎌倉の歴史的遺産の普遍的な価値をどのように示していくかという課題の解決に向けたもので、具体的には学術調査の実施と「鎌倉市歴史遺産検討委員会」による世界遺産登録へ向けた考え方(コンセプト)の検討を進めてきました。

    ※準備のために実施した学術調査の概要

    これらの調査結果は、国史跡指定の際の基礎資料として、また鎌倉の世界遺産登録へ向けた考え方の検討を進めるための資料として活用されています。

    「鎌倉市歴史遺産検討委員会」は、考古、歴史、古建築史、美術史、都市計画、庭園史などの分野の専門家により構成されています。平成13年度に設置されて以来、世界遺産登録の考え方の検討を進めてきましたが、 平成16年5月に中間報告書「武家の古都・鎌倉 〜鎌倉における歴史的遺産の普遍的な価値について〜」をまとめました。 その後、登録推薦に向けた対象候補遺産ごとの課題や、候補遺産のまとめなどについて検討を行っています。

    ※中間報告書「武家の古都・鎌倉 〜鎌倉における歴史的遺産の普遍的な価値について〜」

    ※鎌倉市歴史遺産検討委員会の概要へ

    現在、市では、この中間報告書を受けて「武家の古都・鎌倉」という考え方に基づき、世界遺産登録推薦に向けた準備を進めています。

    平成16年4月からはそれまで教育委員会にあった担当を市長部局へ移し、特命担当部長を配置するなど執行体制の強化を図り、準備のための諸課題に集中的に取り組むことで早期の登録推薦を目指しています。

    対象候補遺産のまとめ

    武家政権発祥の地である鎌倉には、武家の歴史や文化を示す多くの歴史的遺産が今も受け継がれています。

    「武家の古都・鎌倉」という世界遺産登録に向けた考え方では、それらの歴史的遺産の中でも特に、

  • 武家による政治と深く関わるもの
  • 武家によるまちづくりの状況を示すもの
  • 武家の信仰や文化を表すもの
  • を武家と深く関連する歴史的遺産として位置づけています。

    また、これら歴史的遺産の多くは、鎌倉時代から地理的位置を保ちながら、中世に形作られた基本的な姿を現在に伝えていることを古絵図や発掘調査等により確認することができます。 このことは世界遺産登録にあたって求められる「真正性の証明」ができることを示すものです。

    このように、鎌倉市歴史遺産検討委員会による学術的な検討を踏まえて、武家との関わりが特に深く、真正性の証明ができる歴史的遺産24件を、世界遺産登録の対象候補遺産として位置づけています。

    対象候補遺産
    1鶴岡八幡宮7覚園寺13永福寺跡19大仏切通
    2若宮大路8瑞泉寺14 法華堂跡
    (源頼朝墓・北条義時墓)
    20仮粧坂
    3荏柄天神社9称名寺
    (横浜市)
    15東勝寺跡21亀ヶ谷坂
    4寿福寺10極楽寺(忍性墓)16仏法寺跡22朝夷奈切通
    5建長寺11浄光明寺17一升桝遺跡23名越切通
    6円覚寺12鎌倉大仏18北条氏常盤亭跡24和賀江嶋

    ※候補遺産の名称の表記は、国指定史跡の名称に基づいています。

    対象候補遺産に関する国史跡指定(追加指定)と、史跡の保存管理計画の策定

    世界遺産として登録される対象候補遺産は、国が全力で保護していくことを世界に示すため、文化財保護法による国指定史跡の指定を受けていることが必要です。史跡として指定されていない、あるいは学術的な研究の進展によって現在の指定の範囲が不十分であることが明らかとされている候補遺産について、国指定史跡への指定(追加指定)手続きを進めています。

    また、世界遺産として登録される対象候補遺産は、将来にわたって適切に保存管理されることが必要となります。そこで、遺産(史跡)ごとの特性に応じた保存管理計画の策定に取り組んでいます。この計画は、史跡ごとに学識者や地元関係者、行政職員等で構成される委員会を設置し、策定されます。

    候補遺産に関する準備の進捗状況 (平成19年6月現在)
      名  称 進 捗 状 況
    史跡指定 保存管理計画策定
    1 鶴岡八幡宮 追加指定済 (H17.8 告示) 【策定済】
    2 若宮大路 追加指定済 (H18.1 告示) 策定済 (H18.3)
    3 荏柄天神社 新指定済 (H17.7 告示) 策定済 (H19.3)
    4 寿福寺 【指定済】 策定予定
    5 建長寺 追加指定 (H19.5 答申) 策定済 (H18.3)
    6 円覚寺 【指定済】 策定予定 (H20.6)
    7 瑞泉寺 追加指定 (H19.7 申請予定) 策定済 (H19.3)
    8 鎌倉大仏 新指定済 (H16.2 告示) 策定済 (H19.3)
    9 覚園寺 【指定済】 策定済 (H19.3)
    10 浄光明寺 追加指定済 (H19.2 告示) 策定予定
    11 極楽寺 追加指定 (H19.7 申請予定) 策定予定
    12 称名寺(横浜市) 【指定済】 【策定済】
    13 永福寺跡 【指定済】 【策定済】
    (H19一部追加策定予定)
    14 法華堂跡
    (源頼朝墓・北条義時墓)
    追加指定済 (H18.7 告示) 策定済 (H19.3)
    15 東勝寺跡 【指定済】 策定予定
    16 仏法寺跡 新指定済 (H18.7 告示) 策定中
    17 北条氏常盤亭跡 【指定済】 策定済 (H19.5)
    18 和賀江嶋 追加指定済 (H18.1 告示) 策定済 (H18.3)
    19 朝夷奈切通(鎌倉市域分) 追加指定 (H19.5 答申) 策定中
    20 名越切通(鎌倉市域分) 追加指定 (H19.7 申請予定) 策定中
    21 亀ヶ谷坂 【指定済】 策定中
    22 仮粧坂 追加指定 (H19.5 答申) 策定中
    23 大仏切通 【指定済】 策定中
    24 一升桝遺跡  新指定済 (H19.2 告示、追加指定予定) 策定中

    ※朝夷奈切通の横浜市域分については、横浜市が準備を行います。

    ※名越切通は逗子市域分については逗子市により保存管理計画が策定されています。

    緩衝地帯(バッファゾーン)の確保

    緩衝地帯とは

    登録される遺産の周辺環境や景観を保護することを目的として設定される区域を緩衝地帯といいます。

    緩衝地帯の範囲内は、遺産の本質的価値や環境が損なわれないよう、建物の高さ等を制限することが必要とされています。また設定にあたっては、それぞれの国の法律や条例等が適用されます。

    緩衝地帯自体は世界遺産として登録される範囲ではありませんが、緩衝地帯を設定することは世界遺産登録の要件となっており、近年は可能な限り広く設定することが求められています。

    「武家の古都・鎌倉」の緩衝地帯の考え方

    現在、鎌倉市では、以下の基本的な考え方に基づいて、緩衝地帯の範囲の設定について検討を行っています。

  • 原則として建物及び工作物等の高さ規制を含めた許可制の利用制限がある法制度により構成する。
  • 古都保存法発祥の地である特徴を強調し、その指定区域を活かした設定とする。
  • 可能な限り広範囲に設定し、点在する候補遺産を一体的に包括する設定とする。
  • 「武家のこと・鎌倉」の緩衝地帯のイメージ図

    適用する主な法制度一覧

    古都における歴史的風土の保存に
    関する特別措置法
  • 歴史的風土保存区域
  • 歴史的風土特別保存地区
  • 神奈川県風致地区条例
  • 風致地区
  • 景観法
  • 景観地区
  • 都市計画法
  • 高度地区
  • 海岸法
  • 海岸保全区域
  • 世界遺産登録への推薦書原案の作成準備

    世界遺産登録への推薦事務は、国の事務として手続きが進められますが、日本国がユネスコ世界遺産センターに提出する推薦書原案の作成までを地元自治体が準備します。

    「武家の古都・鎌倉」の候補遺産は鎌倉市だけではなく、隣接する横浜市、逗子市にも所在するため、広域行政を担う神奈川県を含めた4県市により共同で、推薦書原案の作成について準備を進めていきます。

    鎌倉世界遺産登録推進協議会

    鎌倉世界遺産登録推進協議会(以下、「推進協議会」)は、市民と市が両輪となって古都・鎌倉の世界遺産登録に向けた取り組みを進めていくために、平成18年7月24日に設立されました。

    推進協議会には、市民団体、宗教界、商工関連団体、教育機関などの幅広い団体が参加し、平成19年6月現在70団体により構成されています。会長は、鎌倉市在住の養老孟司東京大学名誉教授です。

    鎌倉の歴史的遺産の価値が、日本のみならず、世界の貴重な財産として多くの人々に理解され、大切に保全され、未来後世の人々にきちんと継承されていくことが世界文化遺産への登録の意義です。
    市民、事業者、行政等が一体となって、その登録の意義を達成していくことが推進協議会の活動目的です。

    行政だけではなく地域のコミュニティーなど様々な関係者が世界遺産登録に向けて協働で取り組むことは、ユネスコにより作成された「世界遺産条約履行のための作業指針」のなかでも奨励されています。

    鎌倉世界遺産登録推進協議会のホームページへ

    鎌倉市の取り組み(スケジュール)

    スケジュール

    世界遺産登録スケジュールの変更について